



文: 松田 悠八
絵: こうの ルル
編: 中川 たかこ
ISBN: 978-4-909809-74-2
ページ数: 40ページ
サイズ: 215 x 270 x 10mm
本体価格: ¥1,800
シリーズ名: a sailing boat book
刊行予定: 2026年4月12日
1940年岐阜県生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経てフリーになる。主な編集担当書に『パパラギ』『海からの贈り物』『アレクセイと泉のはなし』などがある。2004年『長良川スタンドバイミー1950』で小島信夫文学賞受賞。その続編にあたる『円空流し』『長良川ー修羅としずくと女たち』(いずれも岐阜新聞連載)、2024年自身初のYA小説『カミオカンデの神さま』(ロクリン社)などを執筆する。2025年には『長良川スタンドバイミー1950』を原作とする映画「光る川』が完成する。100万部のベストセラーとなった『パパラギ』を現代の子どもたち向けた作品にする構想を温め、ここ数年掛けて絵本の原稿を執筆。しかし絵本完成の前の2025年10月12日、病気のため逝去。
愛知県名古屋市出身。2015年、長い海外放浪の途中流れ着いたメキシコの宿で宿泊代を絵を描いて払う。この出来事をきっかけに絵を描く楽しさに目覚め、帰国した2016年より絵描きとしての活動を開始。その後も多くの国々を訪れるたび、生まれた国の事情によりお絵描きが気軽にできる子どももいれば、鉛筆すら買えない子どももいるという現実を目の当たりにする。そんな絵に触れる機会の少ない環境で暮らす子どもたちに、少しでも自分の絵で喜んでもらいたいと思い、チャリティで壁画を描きに行くようになったことが、いつしかライフワークに。国内外を問わず「ルルの絵は、みんなを明るく笑顔にする」と喜んでもらえることが、活動の大きな原動力となり、今日もひたすらに絵を描き続けている。
2017年UNKOWN ASIAグランプリ受賞。2020年アートコンペubisumグランプリ受賞。
1971年三重県生まれ。空とぶロバ出版代表、なかがわ創作えほん教室主宰。絵本専門店メリーゴーランド四日市店主増田喜昭氏に師事。名古屋を中心に、「えほん作家と子どもをつなぐ」を合言葉にしてワークショップや展示即売会などを開催している。
100万部超のベストセラーになった『パパラギ』の名編集者松田悠八氏が、子どもにも読んでもらいたいとの気持ちから「絵本版パパラギ」として企画をしました。原書はとても長い『パパラギ』ですが、現在に伝えたい部分をピックアップして原稿を完成させました。長年この企画を考えていた松田氏ですが、原稿を完成させたところで病に倒れ、2025年10月12日に絵本の完成を見ることなく旅立ちました。
絵は世界の各地で壁画を手掛けるこうのルルさんが鮮やかに描きました。
松田悠八よりみなさんへ
1981 年に、ぼくは『パパラギ』という本を出版しました。 この本はベストセラーになって多くの人に読まれました。
ツイアビとパパラギの文化の違いを語っているのですが、 このテーマを今の時代に当てはめたらどうなるのだろう、 とずっと考えていました。
インターネットや SNS など情報のあふれる時代に生きる皆さんへ、 新しい『パパラギ』を贈りたいと思って創ったのがこの絵本です。
こうのルルよりみなさんへ
わたしは今までいろんな国に行って、壁画を描いてきました。 そのおかげで世界中に友だちができました。 この絵本を作るお話が来たとき、内容を聞いて「これだ!」と思いました。
松田悠八さんが新しく書き直されたというパパラギの物語には、 わたしが今まで感じてきたことが詰まっていたからです。 1920年にスイスで発刊され、1981年に日本で翻訳された歴史の長い物語を、 現代の子どもたちにどうしたら伝わるだろうか。制作半ばでこの世から旅立たれた松田悠八さんの想いを汲みながら、 わたしたちは何度も何度も話し合いました。
この絵本はどの国の子にも見てもらえるものにしたい。 どんな環境で暮らす子どもたちであろうと、親しみを持ってもらえる主人公は、 どんな子だろう?何十種類も考えたキャラクターの中から、わたしが一番気に入ったのが、 このオレンジで耳がツンと立った、小さな生きものでした。 見え方しだいでは、差別と考えられるかもしれない人間の姿ではなく、 服を纏わず、太陽のひかりを全身で浴び、裸足で島を駆け回る小さな生きものたちに わたしの想いをのせて描きました。
さらに今回、大きくセリフを変えた部分があります。 ツイアビがパパラギのあらそいごとを見たとき、 初稿には「パパラギよ、これ以上近づくな」と、書かれていました。でも、戦争している国の子どもたちに、こんなことが言えるでしょうか? 国同士のいざこざはいつだって大人の都合で、子どものせいではないのです。 だからセリフを変えました。
未来の子どもたちにはたいせつなことを選んでほしいと思って。
最後にこの本を読んでくれる子どもたちにお願いです。 色んな国のお友だちをたくさん作ってください。 見た目や、言葉や、文化が違っても その子もきっと新しい友だちができたら嬉しい、 あなたのような一人の人間です。
書き直しをされた松田さんの平和を願う気持ちに、併走させていただきこの絵本が完成しました。 一緒に制作したメンバーの情熱とサポートなしには完成できませんでした。 心から感謝申し上げます。