株式会社イマジネネイション・プラス

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『Dear 16とおりのへいわへのちかい』

著: サヘル・ローズ

ISBN: 978-4-909809-62-9
ページ数: 40ページ
サイズ: 217 x 270 x 10mm
本体価格: ¥1,700
シリーズ名: imagination unlimited
刊行: 2024年11月29日

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著: サヘル・ローズ

俳優、タレント。1985年イラン生まれ。幼少時代を孤児院で生活し、フローラの養女として7歳のときに引き取られる。8歳で養母とともに来日。レポーター、ナレーター、コメンテーターなど様々なタレント活動のほか、俳優として映画やテレビドラマに出演し、舞台にも立つ。近年では自身がメガホンを取った映画「花束」も公開されるなど、表現の幅を広げている。また芸能活動以外では、個人で国内外問わず支援活動を続けており、2020年にはアメリカで人権活動家賞を受賞。

著書には『言葉の花束』(講談社)、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏との共著で写真詩集『あなたとわたし』(日本写真企画)がある。

 

 

絵本の内容

サヘル・ローズさんはライフワークのひとつとして、難民キャンプ等を訪問し、大人や子どもたちとの交流を長年されています。
その現場で子どもたち自身が描いた絵や手紙をサへルさんに託しています。
この絵本では、託された子どもたちの絵や手紙と共に、サヘル・ローズさん自身の言葉を添えて構成をしています。
皆さんに少しでも戦争や紛争等で難民となってしまった人々、子どもたちの事を知って欲しいという思いで企画をしました。
イマジネイション・プラス

埼玉県久喜市立太東中学校ゲキ部の皆さんより感想が届きました。

私は今回上演させていただいた『Dear』の手紙の中で、「国の偉い椅子に座っている大人に、戦場を歩かせたい」という一文が特に印象に残っています。
毎朝ニュースを見ていると、戦争をしている国の大統領が、安全な建物の中で、椅子に座って話している姿がよく映ります。大統領だから、安全な場所で軍や兵士に指示を出すのは当たり前かもしれません。でもそんな姿を見ていると、「この人は一度も戦場に行ったことがないから、戦争をやめようと思わないのかもしれないな」と思います。一度でも戦場を歩けば、戦争をこのまま続けようなんてきっと思えないはずだからです。
また、『音符になりたい』を読んで、自分の住んでいるところから離れなければならなくなった子どもが、避難した先でどんなことを思っているのかを知ることができました。「可哀想な目が嫌だ。助けてあげるも大嫌い」という強い気持ちを持っているとは想像もしていませんでした。自分が持っているイメージを押しつけるのではなく、相手の気持ちに耳を傾けることが大切なんだと気づきました。
朝日新聞の記事で、自分よりも小さい子が、両親を亡くして泣き方を忘れるくらい無理して笑っていると知って、やはりどんな理由であろうと戦争はしてはいけない、正義の戦争なんてないんだと強く思いました。憎み合いの果てには、何も生まれないと思います。世界から戦争がなくなるように、絵本を読んで感じた想いを、劇を通して伝えるだけでなく、自分が今できることを探して行動していきたいと思います。
私たちは『Dear』の中から今回「音符になりたい」「運命じゃなくて、必然」を紹介しましたが、それ以外の手紙にも、私たちが感じたことのない不安や、後悔、夢など描かれていてとても考え深かったです。
私は、これを機にもっと世界を知ろうと思うことができました。そしてそれを「世界中の人たちに届けたい」、そう思ったんです。だからいつか世界中を旅して、こんな子どもたちを減らすために声を集め、世界中に発信していけたらいいなと思いました。
今回は本当にありがとうございました。
私がこの絵本を読んで感じたことを書かせて頂きます。
私達が今回上演した詩だけでも戦争の悲惨さがとても伝わって来ます。どこを見ても言葉の一語一語から色々な想いがひしひしと伝わってきました。特に「なんみんだけどなんみんじゃない
私には名前があるよ」「だって可哀想じゃないよ 私生きてるじゃん」「ここだよ!父さん、もう遠足から帰ってきてよ 次は僕が代わりに行くからさ、遠足に」のフレーズでは、なんとも言えない、言葉に出来ないような悲しみが込み上げて来ました。
新聞も拝見させていただいたのですが、家族と生き別れてしまった女の子が「笑うことに一生懸命で泣き方を忘れていた」と言っていたと書かれていて、私達よりも幼い子たちがこんなことを言わないといけないような国があると知り、ニュースで見た時よりも戦争を身近に感じました。私達は戦争がない国、時期に生まれ、寝たり、食べたりを当たり前のようにしています。しかし、『Dear』を読んでそういう当たり前だと思っていた事ができない方もいるのだと改めて認識しました。
戦争は私達ではどうやっても止められないような大きな出来事だと思います。だからといって何もしなければ、何も始まらないと思います。そのため、私はちっぽけなことだと思うのですが、次の1月25日にある自主公演で見に来てくださった方々にサヘル・ローズさんの想いを繋いでいこうと思います。そうやって一人一人が戦争と向き合っていくことで何かが変わると信じたいです。
今回は、上演許可を出していただき、本当にありがとうございました。
私は『Dear』を読んで、生活を送る中で私達が感じることのない戦争の悲惨さ、不安、後悔などを同じ子どもである子達が向き合ってきていることに凄く衝撃を受けました。子どもたちの想いがそのまま言葉にされているからかニュースなどで見る戦争とは全く違うものに見えて、より無くさなければならないものなのだと実感しました。
また、多くの方に現状や戦争を経験している方々の想いを知って欲しいと思い、そのために私にできる行動をしていきたいという勇気、力をもらいました。
私は劇中で「音符になりたい」の朗読をさせていただきました。少しでも「音符になりたい」を書いた子や戦争を経験している人の想いを知ってもらえるように、劇を観に来てくださった方が何か戦争について考えてくれるようにと思いながら朗読をさせていただきました。
私の朗読、そして私達の劇はとてもちいさなものかもしれません。ですが、そのちいさなことがだんだんと輪を広げていって、だれかの幸せを一つでも増やしていければいいなと思っています。そのために『Dear』の朗読などの演劇の活動をこれからも続けて行きたいと思います。
今回は上演許可と絵の提供本当にありがとうございます。
私は、「一度だけ魔法が使えたら」というセリフを言う役を演じました。戦争を経験したことのない私は、一度だけ魔法が使えれば、自分の夢を叶えたり、自分が欲しいものを手に入れたりしたいなと思います。ですが、『Dear』の子ども達の手紙には、私のまわりのみんなが、当たり前のように出来ること、当たり前のように持っているものを願っていて、自分がどれだけ恵まれた環境にいるのか実感しました。中には、何度願っても救われない現実に絶望する気持ちが伝わって来る手紙もあり、胸が痛くなりました。
「戦争を終わらせる」この願いを叶える為に、自分が出来ることをじっくり考えていきたいと思います。
私は今回の劇で「運命じゃなくて、必然」の朗読をさせていただいたのですが、どの話も現地にいる人々にしかわからない戦争のつらさやかなしさ、不安さが子どもたちの真っすぐで純粋な言葉がたくさん綴られていて、読んでいて胸が締め付けられる思いでした。しかし、それ以上に私自身ができる最大限のことを全力でしたい、と思いました。
「わたしのいちばんかなえたいこと、世界中の人それを聞くけどさ、聞いて終わるだけ。何もしないじゃん」という一言にハッとしました。今まで何度も「何がしたい、何か力になりたい」と思うことがあっても、結局「私にできることなんてないんじゃないか」と思い、何もしてきませんでした。なので今回、「運命じゃなくて、必然」の朗読を担当することができて、とても嬉しく思っています。
戦争の悲しさ、辛さだけでなく、子どもたちがその中でも楽しさや喜びを感じていることや、夢を持っていることなど、サヘル・ローズさんが「Dear〜16とおりのへいわへのちかい〜」に込めた思いが少しでも観客の人々に伝わるように、全力で朗読させていただきました。私達が演じた劇はとても小さなものかもしれません。しかし、少しずつ、少しずつ輪が広がって戦争を体験している子どもたちに届いてほしいなと思います。
私は、朗読の間にピアノを弾かせてもらっていたのですが、手紙を書いた子どもたちの悲しみや悔しさ、思いなどが胸に響き、やるせない気持ちになりました。
「音符になりたい」の朗読では、音楽が国境を越えて自由に世界に広がっていくイメージがわき、逆に、子どもたちの現実はそれとはかけ離れたものであることを痛感し、とても胸が痛くなりました。また、今の私たちが戦争のない日常を送っていることは、世界ではあたりまえのことではなく、本当に奇跡なのだと思います。そんな私たちが、「Dear  16とおりのへいわへのちかい」のビブリオドラマの上演やYAA!といった集まりでの「Dear  16とおりのへいわへのちかい」の朗読発表をすることで、子どもたちの思いや世界の現状を少しでも届けていきたいと思います。
私はサヘル・ローズさんが書いた手紙
「戦争ってなに?って本当は言ってみたかった。戦争を知らずにすむなら、それにこしたことはないよ」
「ワタシの一番叶えたいこと 世界中の人、それを聞くけどさ 聞いて終わるだけ、何もしないじゃん でも、いい 忘れられるのは
なれてる」
を読ませていただきました。
私は戦争を体験したことがありません。授業やニュースなどで戦争が取り上げられていると
「なんで戦争って存在するのかな。戦争をしている国はお互いそれでいい思をしているのかな?」
と思うことがあります。
きっとその時はお互いおかしくなっているだけなのでしょう。
その国に住んでいる子供たち、大人の方たちが嬉しいわけがありません。
戦争は、自分からは遠いところにあるようでいて身近で起こってもおかしくないと思います。
たまたま私は日本に生まれ、ご飯が食べれたり、学校に通えています。けど、世界には名前があるのに難民と言われて生きている子どもたちがいるのですね。今までの私は、難民は可哀想だと思っていましたが、それは違うのですね。一人一人に名前があって、生きていて、生活しているということを忘れてはいけないと改めて思いました。
僕は劇中で、たこをあげる少年役をやらせていただきました。僕が個人的に感動したのは、台詞の中にある、「次は僕が代わりに行くからさ、遠足に」という言葉です。お父さんは遠足ではなく戦争に行くのだと知らずに、たこを上げ続ける少年の、お父さんを大切に思う気持ちがひしひしと伝わってきました。そして、戦争は二度と起こしてはいけないものだと深く確信しました。自分も日々送っている生活を見直し、それが当たり前ではないことを思い、感謝しながら生活していきます。
改めてお礼を言わせてください。今回は本当にありがとうございました。

ゲキ部の皆さんは『Dear 16とおりのへいわへのちかい』を朗読劇にしてくださっています。

 


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